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※文章力は裏でピストルの試し撃ちをしています。ほとんど別人。
軽く現代パロ+気持ちSF気味。
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幾度となく繰り返される化学兵器の応酬。広がっていく被害地域。
今の自分に出来ることは、なるだけ早くこの戦争を終わらせるべく頭を動かすこと。
…そのはずなのに、今日ばかりは調子が悪かった。
今はもう意味をなさなくなった国境の向こうから届いたそれは、親友からの手紙。
お互いに文通などあまりしたことがなかった為に、届いた時は本当に驚いた。
手紙の内容は日常や家族のこと、それから天気…実に彼らしいものばかり。
丁寧に書かれた文字を読み返す度に、印象的な黒い瞳を細めて笑う彼を思い出す。
(ああ、早く会いたい)
全てに終わりが訪れるように、この戦いが終わる日が来たのならば、一番初めに彼に会いに行こう。
その日が来る前に、この手紙に返事を書かなければならない。
時間をかけて、思いをこめて。返事を読んだ後、少しでも彼が安心できるように。
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手紙が届いた、終末が見えた日
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