空気を切り裂く、 ビシッ、と嫌な音と共に、右頬に激痛が走る。 恐る恐る左手でそっと触れると、血の滑る感覚。 目を顰め、ぎり、と左手を握り締める。 自分がすっかり油断していたのが許せなかった。 (…くそッ!これだから吹雪はイヤなんだ!) 目の前を通過する氷の弾幕を睨んでも仕方ない。 傍に落ちていた銃を拾い、雪を払い落とした。 これだけふぶいていれば寒いはずだが、 不思議と寒さは一切感じない。 (いける) 「さあ、かかってこい!」 吐き出した大量の息は白く濁って辺りに散った。 ****** FF12のヴァン、聖剣伝説4のエルディ…の中間的なキャラで。 どちらでもこれは一応いける。 最初は舌打ちさせていたけど、 それはバルフレアの専売特許だなあ、と思って止めさせた。 No.493 - 2010/02/23(Tue) 23:41:55 ********* 不思議というかなんというか 今朝見た夢があまりにも奇妙すぎたので…。 ちょっとだけ自分用メモ。乱雑なので意味不明になるかと。 ****** 気付いたら、不思議な空間にいた。 上には空。下にも空。 全く同じ空が、鏡によって映したように上下へ広がっている空間だ。 自分はその中央に浮いて立っていた。 不安がひしひしと迫ってくるのを感じながら、友の名前を大きく叫ぶ。 「リチアーッ!レキウスーッ!」 返答はない。分かっていたことだが、やはり不安で仕方ない。 動くと落ちてしまうかもしれないので、じっと我慢して辺りを見渡す。 『どうだ?この空間は』 「お前は…」 聞き覚えのある低い声。ああ、兄だった男の声だ。 いや、何故その声が聞こえているんだ? 意味が分からない。 困惑する私を他所に、彼は続ける。 『これはお前が今まで偽ってきたお前自身だ。  これからこの空間を乗り越えてみせろ。それくらいできるだろう?』 自分自身だって!そんな馬鹿な!これは一種の白昼夢に決まってる! 反論しようとしても言葉が口からでてこない。 おまけに、 「は?…ちょ、わ、あああぁぁ―!…」 足元の見えないガラスが取り払われて、 真っ逆さまに上下逆さまの空へと落ちていった。 (まずいまずいまずい!) あの空の天辺まで落ちていったらきっと死ぬ。 死ぬのは嫌だ。まだ少ししか生きていないのに。 落下する時の凄まじい風と轟音を感じながら、 閉じていた目をゆっくりと開けた。 視界一杯に広がる、美しい紫、ピンク、蒼の世界。 「これは…!?」 反転した空から、世界は急速に夜明け前の空へと変わっていた。 自分の周りをぐるりと囲む、 まるで絵本の中のようなもくもくとした雲は濃紫色をしている。 どうも自分はそれらの雲達の中央、 大きな雲のリングが次々に連なったタワーのような空間を落ちているらしい。 一つ、二つ、…四つ、と速度をあげながら雲のリングの中を落ちていく。 叫び声すらあげる余裕もない。 「いやだ!まだ死にたくない!死んでたまるか!」 唐突に、口から叫びが出た。 とても気持ちが良いほど、腹から声が出ている。 死ぬのを防ぐには叫ぶしかないと本能が悟った。 なら叫んでやろうじゃないか。 自棄になって次々に叫ぶ。 「負けたくなかったんだ!」 一つの輪の中をまた、くぐりぬける。 「従順になるのが嫌だったんだ!」 終点が見えた。海が二つのリングのしたにある。 すぐそこまで迫ってる! 「兄に追いつきたかった!そうなりたかった!そうでありたかったんだ!」 また一つ、潜り抜けた。ラスト一つ、 「このっ…!くそくらえ!」 いつの間にか手に持っていた何かを思いっきりリング… ではない丸い雲へ叩きつけて、海面へと落ちていく。 落ちる寸前、ふわり、と体が浮き、速度がかなり落ちて、 さした衝撃もなく海へとドボン、と落ちる。 自分でも表現がどうかと思うが、 白い天使(…といってもワイヤーで作れそうな簡単な形をしたもの)が 一つの雲を吐き出した。 それを追いかければ良いような気がして、 すぐさま雲の後を泳いでついていく。 (なんて、めんどうくさい!) …そして夢は暫く続いて終わったんですが。 一体何だったのかなあ…。 あ、ちなみに最初は私はエルディでした。 敢えてその描写をしてませんが。っていうか何でエルディ。 声?エルディのお兄さんに決まってます。だから何で。 あまりにも不可解な夢で今でも悶々としております。 本当に何だったんだ。分からん。 No.494 - 2010/02/25(Thu) 12:54:02 ********* 巡る記憶の中で永遠に あれから一体何年経ったのか、もう考えることは止めた。 いや、正確に年数は把握しているのだが、 心で感じるのを止めた、という方が正しいだろう。 エルディという人間は死んで、 今ここにいるのは、ただの魂の入れ物だ。 「もうすぐ半分」 この城に時間の概念はない。色の概念も。 ただ自分という異質な存在が ここに存在する事実を突きつけられる。 時々無性にあの無知だった頃へ戻りたいと願う一瞬が訪れ、 それが過ぎ去った後に自分の役割を悟り、 元の立ち位置へと戻るのだ。 「まだ半分」 五百の年が過ぎた。昔から付き合ってきた仲間はもうほとんどいない。 自分をこの道へと誘った女は仲間ではないが腐れ縁に等しい。 「世界は昔と変わらず混沌の淵にあるようだよ、」 生まれた世界を離れて初めてできた親友は自分に 「未来を見据えろ、時代の変化を見守れ」と遺して逝った。 時が過ぎれば仲間が出来て、また時が過ぎれば別れがくる。 記憶だけが、永遠に変わらずに 自分の心と体を輪廻してはむなしさばかり残すのだ。 (…しかし、礎となった者は生きねばならないのだ) ********* エルディもヴァンも私の中では 完全に「神の鍵」設定が定着しつつある。いかんなぁ… No.569 - 2011/01/01(Sat) 17:03:15