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!注意! 悪に染まってる教授。
書いてよいとお許しが出たので書いてみました。 ありがとうございます!
有無を言わさず、椅子に座っていた彼を、血まみれの絨毯へと突き崩した。
モノクルをつけたまま、彼は冷たい眼差しで私を見据える。
傾いた帽子の影から覗く項は色白で艶かしいというのに、彼の目はあくまで理性的だ。
絶対に崩れないスタイルは、彼が完璧主義者であることをよく表している。
「…デスコール、」
「いいだろう、エルシャール?」
そっとその首に口付ける。 彼は少し不快そうに顔を顰め、私の肩に手を置いた。
大した力は入ってないが、この仕草を彼が取る時、それは彼の拒絶を意味していた。
拒絶の意思を無視して無理強いをした人間に待つのは、彼の手による死。
彼の肩にかけていた手を静かに離し、彼の前に跪く。
愛する者に殺されるなら本望だが、この男は私が死ぬのを許さない。
逆光の中、彼はモノクルを外し、私の顎を彼の片手が捕らえる。
ぎり、と骨の軋む感覚。エルシャールは先程とは打って変わって穏やかな目で笑う。
「知っているかい、デスコール」
ゆっくりと上体を起こし、私を捕らえたまま彼は私の仮面に口付けた。
血の匂いを紛らわせる為に彼がつけているあの香水が、ふわり、と香る。
古風でいて魅惑的な匂いの香水は、私が彼に贈ったものだった。
「身分以上に欲張る人間は、破滅するものさ」
「…憶えておくとしよう」
「私はね、自分に主導権がある方が好きなんだ。君だってよく知ってるだろう?」
帽子をそっと脱ぎ、椅子の上へと置いて、彼は私に口付けた。
「…しようか?」
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血生臭い「
愛してる」
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