病院を退院して間もなく、
俺とヴァンはラバナスタの城門を飛び越えた。

パンネロ達が先に向かった帝都へ向かう為に。


シュトラールの操縦席からヴァンが、
一瞬で飛び去る故郷を惜しむように見ている。

深夜に飛び立ったのでよくは見えない。


けれど、見える見えないなど関係ないのだ。

ラバナスタの夕日、城壁、噴水…

目に映っていたもの全てを記憶したいんだろう?







お前にとってそこが故郷である限り、ずっと。











***





長時間操縦席に座っていたヴァンが、
つんつんと俺の腕を突いた。

誘うように微笑む顔を見て意味が分かった。


「手加減しねぇぞ」
「昔よりは体力あるし、俺」


悪戯を企むように微笑む唇を啄ばむ。

そのままヴァンは仮眠室へと歩き出した。


随分と余裕になったな、おい。


シュトラールを自動操縦にして、押し倒す。

邪魔な衣服を剥がす途中に左手を見た。

大分前に送った指輪が薬指に光っている。



「お前まだその指輪してたのか?」
「バルフレアこそ、
 まだ俺があげた腕輪してるからおあいこ」
「…ペースあげるぞ」


余裕な態度が気に食わず、荒いキスを食らわす。


露になった裸の胸をそっと口付けていけば、
欲望を映した瞳で静かに息をついた。

そっとしなやかな肢体に手をまわしていく。

三年振りに触れたヴァンは確実に、
大人の淫らな色気と子供っぽい体を育てていた。


しかし、覚えている弱点を突かれて喘ぐ顔も、
体から匂う太陽みたいな香りも相変わらずだ。

つ、と肩から首までを舌でなぞる。


「っぁ…」
「いい反応だ」


反応し始め、熱を帯びたそこに手を触れる。

羞恥で顔を赤らめながらヴァンが首を振った。

ぼろぼろ流す涙にもっと虐めたくなった。


くちゅ、と嫌な音を立てて限界まで追い込む。

放てないように握り締めて背中を舌でなぞる。

先走りしながら欲情による涙を流し、
ヴァンはひたすらに俺の名前を呼んだ。


「あぁッ…!」


結局我慢できずに俺の手に吐き出した。

目尻は止め処なく流れる涙で腫れそうになり、
かわいそうだと思って頬に口付ける。


しばらく触れていなかった肌を重ねる度、
俺の中の何かが満たされていった。

ジグゾーパズルのように、一欠けらずつ。

ただ、欲情が俺を駆りたてていく。


「入れるぞ、いいな?」
「っ、ん」


荒い吐息でこちらを見つめるヴァンに、
もう一度口付けてその足を押し開いた。

すっかり湿っている蕾に指を入れる。


一本、二本と中の指を増やしていく。

あ、と苦しそうにヴァンが喘いだ。

厚い肉壁に四本目が収まったところで、
指を引き抜いて自身を入れる。


「お…っきいってば、アンタ」
「そりゃあ悪かったな」


体重をかけて少しずつ深く沈めた。

吐き出される荒い息が、
激しくなるにつれて甲高い喘ぎに変わる。

ふるふると首を振るたびに汗が光った。


「い、っちゃう、って…あっ」
「…気持ち良いな、お前の中」


きつく締め上げるヴァンの奥深くに
思いっきり腰を突きつける。


「ぁっあ、ああぁっ」
「……くっ」


悲鳴に似た声を上げてヴァンが放った。

弓のように沿った背中がびくんと震える。

ヴァンの中に放って荒い息をついた。






























「激しすぎ、バルフレア」
「お前が誘うからいけねぇんだろうが。
 俺は歯止め利かないんだよ」


白い液体が零れる足を拭いてやる。

冷水に浸されていたタオルが
熱の篭もっていた体に心地良い。


「今日はもう寝ろ。明日は早いぞ」
「分かった。…おやすみ、ファムラン」
「ああ」


乱れたシーツの中でヴァンは目を閉じた。

暗闇の中で浮き上がる唇に口付けて、
シャワールームへと俺は足を向けた。


























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